2024年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、その後も世界中の映画祭を席巻した映画『サブスタンス』。 「なぜ、あんなにグロテスクな映画が賞レースを席巻したのか?」と不思議に思う方もいるかもしれません。
しかし、評価されているのは過激な映像だけではありません。そこには、現代社会の病巣をえぐる鋭い脚本と、商業映画の限界に挑んだ制作チームの「狂気」に近い熱量があったのです。
映像作品と向き合って35年、私うずひこが、この作品が「評価された真の理由」と、海外メディアが実際にどう報じたかを深掘り解説します。
まだ視聴していない方、視聴方法を先に知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

理由1:デミ・ムーア自身のキャリアを重ねた「メタ構造」
この映画のキャスティングは、それ自体が完璧な脚本の一部と言えます。
- 役柄(エリザベス): オスカー像を持つ元大スターだが、年齢を理由にフィットネス番組を降板させられる。
- 演者(デミ・ムーア): かつて美の象徴だったが、近年は第一線から退いていた。
デミ・ムーアは、自身のパブリックイメージ(美貌、整形疑惑、年齢によるキャリアの変化)を全てさらけ出し、「老いたスター」という役を演じることで、自らを消費してきたハリウッド産業そのものに中指を立てたのです。 この「虚構と現実が入り混じる迫力」が、審査員たちの度肝を抜きました。
理由2:コラリー・ファルジャ監督の「極端な対比」の美学
私が本作を観て最も衝撃を受け、そして深く共感した点は、監督の「徹底的な対比表現」へのこだわりです。本作が単なるホラーで終わらず、「芸術」として評価された理由はここにあります。
- 美と醜
- 若さと老い
- 近(クローズアップ)と遠(ロングショット)
- 明と暗
監督はこれらの要素を中途半端にせず、極端なまでに振り切って表現しています。 「若さ」は目が痛くなるほど輝かしく、「老い」は目を背けたくなるほど醜く描く。どちらの表現も極端に振り切ることで、それぞれの意味がより深まる。監督はその効果を完全に計算しているのです。
正直、「頭の中を覗いてみたい」と思うほどの作家性ですが、この過激な映像表現を商業映画として成立させるスタッフが存在すること自体が、素晴らしい環境であり奇跡だと感じます。 まさに、ホラーとは「人間の本質を恐ろしくも醜く表現できる高尚な手法」であると、世界に見せつけた一本だと言えるでしょう。
彼女のこの強烈な作家性は、長編デビュー作から一貫しています。監督の原点を知ると、本作の理解がさらに深まります。
▶映画『REVENGE リベンジ』感想・評価|『サブスタンス』監督の原点!
理由3:海外メディア・批評家はどう評価したか?(賛否のまとめ)
では、実際に海外では具体的にどのような言葉で評価されているのでしょうか? 大手批評サイト「Rotten Tomatoes」では批評家スコア89%(2025年12月24日時点)という高得点を維持していますが、その中身を紐解くと、興味深い「熱狂」が見えてきます。
【絶賛の声】
- 「ボディ・ホラーの新たな金字塔」 『ザ・フライ』や『キャリー』の系譜にありながら、それを現代的なフェミニズムの視点でアップデートした手腕への賛辞。
- 「視覚的なストーリーテリングの勝利」 セリフで説明するのではなく、映像(肉体の変化、閉鎖的な空間、音響)だけで感情を語る映画術が高く評価されています。
- 「デミ・ムーアのキャリアベスト」 Variety誌などは、「彼女はこの一作で、過去のどの作品よりも女優としての魂を見せた」と評しています。

【戸惑いの声】
- 「あまりにも過剰」 一部の批評家からは「後半の展開があまりにバカバカしく、寓話の域を超えてコントに見える」という指摘もあります。
- 「直視できない」 「上映中に退出者が続出した」という報道も事実です。しかし、この「拒絶反応」さえも、監督の狙い通り(ルッキズムへの強烈な嫌悪感の共有)であると分析されています。
つまり、「賛否両論あるが、無視することは不可能な映画」というのが、海外での共通認識なのです。
賞レースの結果:2025年、歴史に名を刻んだ瞬間
そして迎えた2025年の賞レース。映画『サブスタンス』は、その評価が決して一過性のものではないことを証明しました。
- 第82回ゴールデングローブ賞:主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞 デミ・ムーアがついに栄冠を手にしました。スピーチで彼女が見せた涙は、役柄のエリザベスが流せなかった喜びの涙だったのかもしれません。
- 第97回アカデミー賞:メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞 CG全盛の時代に、あえて実写特撮(Practical Effects)にこだわった職人たちの技術が、世界最高峰の舞台で認められました。あの「怪物」の造形は、映画史に残る仕事として称えられたのです。
映画の中のエリザベスは「老い」を理由に排除されましたが、現実のデミ・ムーアはその「老い」すら武器にした演技で、最高の栄誉を勝ち取りました。
この受賞こそが、映画が投げかけた問いへの、社会からの希望ある回答だったのではないでしょうか。虚構と現実が反転する、これ以上ないドラマチックな結末と言えるでしょう。
まとめ:歴史に残る一作を、今のうちに
『サブスタンス』は、単なる一過性の話題作ではありません。10年後、20年後も「ルッキズムを扱った映画の決定版」として語り継がれるでしょう。
その過激さゆえに目を背けたくなる瞬間もありますが、その先にある「対比が生む真実」に触れた時、あなたも私と同じように、この作品の虜になってしまうかもしれません。 Amazonプライム・ビデオで、見放題配信されていますので、ぜひその衝撃を目撃してください。
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