香りが繋ぐ時を超えた恋の物語『青春18×2 君へと続く道』の見逃せないポイント

あらすじ

一から立ち上げたゲーム会社の経営権を奪われ、自暴自棄になるジミー。実家の自室で以前届いたハガキを見つける。微かに残った香水の香りが18年前のアミとの記憶を呼び起こす。「旅は何が起こるか分からないから、面白いんだ」と言い、ジミーは日本で旅に出る。初めは、スラムダンクの聖地鎌倉。

18年前、夢もなく平凡な暮らしを変えるためにカラオケ屋でバイトを始めるが、代わり映えのしない毎日を送るジミー。そこに現れた日本人旅行者アミとの出会いが彼の人生を一変させる。

松本駅で台湾人が経営する料理屋で食事をするジミーは、「いつも遠回りをして、後悔する」と松本に来た理由を店主に伝える。「たとえ彼女に会えなくても、彼女が育った場所を見てみたい」という強い思いを胸に。

大学に合格したジミー。アミが来てから、アミ特需で盛況な「カラオケ神戸」はアミの歓迎会を催す。そこで彼女は「自分を確かめる旅をしている」と語る。「バイクの二人乗りがしたい」というアミと共に、二人で夜の街を台湾映画のように駆け抜ける。ジミーのお気に入りの場所で夢について語り合い、「どんな大人になるか」と自問する。

決意を固め、アミが生まれ育った只見町を目指すジミーは飯山線に乗り込む。同じく一人旅を楽しむ18歳の幸次と初めて見る雪を満喫する。「これを見たかったんです」と映画「Love Letter」をなぞるジミー。

ジミーのアミへの思いを察するウェイは、映画「Love Letter」のチケットをプレゼントする。初デートに舞い上がるジミーとアミは、映画にとても感動する。涙を流すアミを見つめるジミーに「何見てんだよ」と恥ずかしそうに言うアミ。故郷への思いを語るアミを思いやるジミーだったが、アミは距離を取るのだった。

長岡に着いたジミーは幸次に勧められたネカフェに寄る。そこで新潟ランタン祭りの存在を目にする。どうしても行ってみたいジミーにネカフェで働く由紀子は「車で送って行く」と告げる。

突然帰国するというアミに納得がいかないジミーはイライラを募らせる。父親から「後悔しない人生を送りなさい」という言葉にジミーは行動を起こす。アミが行きたいと言っていたランタン飛ばしに連れ出す。「帰らないで欲しい」と伝えるために。聞こえていないふりをするアミは「二人が夢を叶えたら、また会おう」と提案し、ランタンを飛ばす。それぞれの思いを胸に二人はハグし、誓い合う。

18年前を思い返しながら、ジミーはランタンを飛ばす。「僕たちの旅が続きますように」と願いを込めて。只見町に到着したジミーはナカザトさんの案内でアミの実家に向かう。

冬休みを利用して只見に行きたいと提案するジミーに対して、「まだ、夢を叶えていないでしょ」と嗜め、そっけなく電話を切るアミ。顔を曇らせるジミー。

アミの実家に到着したジミーはアミの遺影に手を合わせる。思い出の詰まったアミの部屋で18年前のアミの気持ちを知るジミー。重い病気を患っていたアミは、ジミーの気持ちに答えることができなかった。感情を抑え、病気を隠すことでジミーに幸せになって欲しいと願う。ジミーとの出会いがアミにとってとても重要な出来事だったと知った時、ジミーの目から大粒の涙が溢れていた。

18年間がむしゃらに夢を追い続けてきたジミーが、夢と引き換えに如何に傲慢になってしまったかを振り返り、アミとの約束が遅くなってしまったことを謝る。台湾に戻ったジミーは、これからの夢を見つけるため、もう少し旅を続けることをアミに約束する。

ロケ地

公式サイトに素晴らしいマップがあったので、聖地巡礼にお役立てください。
とても印象深い昭和レトロ感のある映画館「全美戲院」の公式サイトはこちらからご覧いただけます。

香水「時の流れ（レールデュタン：ニナリッチ）」

ダイアナ元妃が愛用していたというニナリッチの「レールデュタン」、日本語で「時の流れ」。甘くさわやかな香りがジミーに「おいしい」と表現させたのかもしれません。この物語では、重要なアイテムとして登場します。