陰陽師0 ひどい？それとも神作？賛否両論の理由を徹底検証！ネタバレありで全容を解き明かす

ネタバレあらすじ

藤原義輔（小林薫）は陰陽頭で、空席になっている蔵人所陰陽師（帝の陰陽師）に最も近い陰陽師であったが、その地位は義輔の謀略により築き上げられたものであった。優秀な人材を亡き者にし、虎視眈々と蔵人所陰陽師の座を狙っていたが、帝から出た「安倍晴明」の言葉に危機感を覚え、得意とする予知と幻影術により都を巻き込む計略を企む。

藤原義輔の計略により、得業生の橘泰家（村上虹郎）は亡き者にされてしまう。得業生の座を競い、橘泰家の暗殺者を探すことになる陰陽寮の学生たち。平郡貞文（安藤政信）は、木簡に書かれた文字が安倍晴明の筆跡と同じだとし、橘泰家殺しの犯人として安倍晴明を祭り上げる。

後に安倍晴明と旧知の仲となる源博雅（染谷将太）が、密かに恋心を寄せる徽子女王（奈緒）が夜になると琴がひとりでに鳴り出し、龍が弦を切っていくことに悩まされていた。夜中、金龍が現れるが、安倍晴明が小瓶に閉じ込め、金龍は姿を消した。その後、源博雅は忽然と姿を消した徽子女王（奈緒）の捜索を晴明に依頼する。捜索を始める二人は、藤原義輔が仕掛けた無意識の中に取り込まれていた。

藤原義輔が仕掛けた罠とは、陰陽寮を巻き込んだ蟲毒の実行だった。この計略に生き残るであろう安倍晴明の力を我が物にするため。

蟲毒（こどく）とは

作中にも登場しますが、猛毒を持った生物を壺の中で戦わせ、最後に残った生物の毒を使って暗殺に使います。猛毒に猛毒が合わさり、より強力な毒が生成されるとされています。

無意識の世界では、学生たちによる殺し合いが始まっていた。安倍晴明は父の亡骸を見せられ、我を忘れてしまうが、藤原義輔の奏でる龍笛の音色で自我を取り戻す。

炎龍に襲われるが、安倍晴明は水龍を召喚し、現世で炎龍を操る天文博士・惟宗是邦（北村一輝）に致命傷を与える。

無意識の世界で源博雅と徽子女王は互いの本当の気持ちを確かめたことで、互いの立場にあった選択をする。

真実を悟った安倍晴明は、藤原義輔と対峙し、「意識を物質化」するという呪術師本来の力で藤原義輔を打倒します。

源博雅の人柄に惚れた安倍晴明は、これから幾度となく難事件を解決していく。

そのころ、陰陽博士・賀茂忠行より帝の陰陽師（蔵人所陰陽師）として安倍晴明が推挙された。

楽しむポイント

呪(しゅ)

この物語は呪(しゅ)について理解した上で視聴すると楽しみが増します。

「事実とはあるがままのできごと、真実とはその人物の主観により導かれた結論、つまり真実とは個人個人で変わる概念」である

安倍晴明は源博雅にこのような話をします。
源博雅が「ようは、思い込みか」と返答すると、安倍晴明は「馬鹿」な者ほど顕著に表れ、事実を見ようとせず、自分の主観に頼った答えを信じてしまう傾向にあると説明します。
この、人の心を縛り、歪ませるものを、「呪」と呼んでいます。

源博雅

源博雅と徽子女王の件は、個人的にはいまいちピンとこないエピソードなのですが、源博雅の人柄を説明する上では重要なファクターとなっています。人嫌いな安倍晴明が生涯の相棒として人生を歩むこととなる、温厚で疑うことを知らず、正直で雅楽をこよなく愛する人物像を一言一言注意深く聞いていると、違った楽しみで、この作品を観ることが出来ます。

山﨑賢人さん

山﨑賢人さんは、唯一無二の呪術師でありながら、その実力を表に出すことなく、呪（しゅ）がもたらす事実とは異なる案件の多さに嫌気がさしている安倍晴明を演じています。その実力を少しずつ出していく様子を楽しむのが、この物語の本道だと思います。
この安倍晴明を演じるのが、ここ数年「キングダム」以外の劇場作品で観ることのなかった山﨑賢人さんです。今年は、「ゴールデンカムイ」「陰陽師0」「キングダム 大将軍の帰還」と立て続けに公開されましたが、どれも10億円以上の興行収入を収めるなど、山﨑賢人さんの人気によるところも大きいと思います。

彼の奇想天外な殺陣や呪文、印を楽しむだけでも、ファンにとっては十分な内容ではないでしょうか。