概要
作品情報
- 公開日または配信開始日:2020年7月10日
- ジャンル:ドラマ、歴史
- カテゴリー:映画
- 上映時間:94分
- 制作国:アメリカ
- 年齢制限:13+
- 出演:トム・ハンクス (アーネスト・クラウス中佐)、スティーヴン・グレアム
- 監督:アーロン・シュナイダー
視聴可能な主なVOD
*VODとは、ビデオオンデマンドの略で、視聴者が好きな動画作品を見られるサービスです。
*2025年6月現在、月額使用料で視聴できるサービスのみ表記しています。

Apple TV+のオリジナル作品です。Amazon Prime Videoでは、別途「Apple TV+チャンネル」に登録することで、視聴することが可能です。
この作品を観るなら!Apple TV+の魅力

『グレイハウンド』は、Appleオリジナル映画。そのため、視聴できるのはApple TV+だけです!Apple TV+は、本作のようなハイクオリティなオリジナル作品が豊富で、他のVODでは見られない傑作に出会えるのが大きな魅力。息をのむ海戦シーンや、リアルを追求した艦内のディテールも、Apple TV+ならではの高画質・高音質で楽しめば、没入感は最高潮に。ダウンロード機能を使えば、いつでもどこでも、緊迫の94分を体験できます。Amazon Prime Video内のApple TV+チャンネル経由でも視聴可能です。

見どころ

緊迫した雰囲気と緩和
本作の魅力は、なんといっても全編にみなぎる緊張感。U-ボートのソナー音が響き、いつ魚雷が襲ってくるかわからない恐怖が続きます。しかし、食事が給仕される場面など、ほんのわずかな日常の描写が挟まれることで、逆に極限状況のリアルさが増し、観る者は束の間の安堵と次なる緊張への没入を繰り返すことになります。
小気味いい応答「アイサー」
艦長からの指示に対し、乗組員たちが即座に「アイサー!」(Aye, sir!)と応える姿が非常に印象的です。この短い応答と復唱が、軍隊の規律と、一刻を争う戦闘下での情報伝達の正確性を象徴しています。リズミカルに繰り返されるこのやり取りは、観ていて小気味よく、艦橋が一体となって巨大な危機に立ち向かうチームワークを感じさせます。
リアルを追求した海戦の駆け引き
本作では、駆逐艦グレイハウンドとドイツの潜水艦U-ボートとの戦術的な駆け引きが詳細に描かれます。ソナーやレーダーの情報を頼りに敵の位置を割り出し、爆雷を投下する。一方のU-ボートは、囮を使ったり無線で挑発したりと、狡猾に攻めてきます。まるで高度なシミュレーションゲームを見ているかのような、リアルで知的な海戦の面白さを堪能できます。
原作小説『駆逐艦キーリング』との比較
本作は、C・S・フォレスターが1955年に発表した海洋戦争小説の傑作『駆逐艦キーリング』(原題: The Good Shepherd)を原作としています。トム・ハンクス自らが惚れ込み脚本を手がけましたが、映画化にあたりいくつかの違いが見られます。

共通点
- 危険な任務設定: 第二次世界大戦下、航空支援の届かない大西洋の危険海域で、連合軍の輸送船団を護衛するという基本的な舞台設定。
- 脅威の存在: ドイツの潜水艦U-ボートの群れ「ウルフパック」が主な敵として登場し、数日間にわたる死闘を繰り広げる点。
- 指揮官の重圧: 主人公であるクラウス艦長が、不眠不休で指揮を執り、計り知れないプレッシャーの中で重大な決断を下し続ける姿。
相違点
- 主人公の描き方:
- 原作小説: クラウス艦長の信仰心や自己不信、離婚した妻への後悔といった複雑な内面世界を深く掘り下げて描いています。
- 映画: 内面描写は最小限に抑え、彼の決断力ある外面的な行動やリーダーシップに焦点を当てています。
- 敵役の演出:
- 原作小説: U-ボートは顔のない、非人格的な脅威として描かれます。
- 映画: U-ボートの艦長が無線で嘲笑してくるという映画独自の脚色が加えられ、敵役がより人格化されドラマ性が高まっています。
- 恋愛要素の背景:
- 原作小説: 妻との離婚という苦い過去が、主人公の孤独と苦悩に深みを与えています。
- 映画: 希望に満ちた婚約者との関係として描かれ、よりシンプルで共感しやすい背景になっています。
所感:どちらから観る?それぞれの魅力
映画『グレイハウンド』は、アクションとサスペンスに特化することで、94分という時間で息つく暇もないほどの緊迫感と没入感を生み出すことに成功しています。まさに「体感する海戦」と言えるでしょう。
一方で原作小説は、極限状況における指揮官の「内なる戦い」に深く踏み込んだ心理ドラマの傑作です。クラウス艦長の信仰、義務感、そして人間的な弱さが克明に描かれており、物語にさらなる奥行きを与えています。
どちらが良いというわけではなく、それぞれに違った魅力があります。まずは映画で海戦のスリルと緊張感を存分に味わい、その後で原作を読んでクラウス艦長の人間性に深く触れてみる…そんな風に二度楽しむのが、この作品を最も味わい尽くす方法かもしれません。
評価
総合評価
出典:Amazon.co.jpグレイハウンド
感想

トム・ハンクスのファンならずとも、この映画の持つ独特の魅力には引き込まれてしまうはずです。全編を覆う曇天の空と荒れる海が、これから始まる死闘を予感させ、観る側の心にも静かな緊張を強います。トム・ハンクスが見せる、ベテランでありながら初の艦長任務に臨む不安げな表情や、疲労困憊の中でも指揮を執り続ける姿は圧巻の一言。彼のリーダーシップと人間味あふれる演技に、心が揺さぶられます。
物語のほとんどが駆逐艦の艦橋(ブリッジ)という限られた空間で展開されるにもかかわらず、全く飽きさせません。むしろ、その閉鎖された空間が、逃げ場のない大西洋の真ん中にいるという究極の閉塞感を増幅させ、まるで艦橋の一員になったかのような強烈な没入感を味わえました。手に汗握る戦闘シーンを見ながら、改めて戦争の不条理さについても考えさせられる、重厚な一作です。
こんなあなたにおすすめ!

トム・ハンクス主演作にハズレなし!と信じているあなた

彼の「極限状況における普通の人間のリーダーシップ」を存分に味わえます。
組織のリーダーや管理職で、日々決断を迫られているあなた

情報が錯綜し、部下の命を預かるプレッシャーの中で最善手を模索するクラウス艦長の姿に、リーダーシップの本質を見るかもしれません。
リアルタイムストラテジー(RTS)や海戦シミュレーションゲームが好きなあなた

限られた情報とリソース(爆雷の残数!)で敵をどう出し抜くか。その戦術的な面白さは、きっとあなたの琴線に触れるはずです。
「音」にこだわる映画ファンのあなた

不気味に響くソナーの探信音、遠くで聞こえる爆雷の水中音、艦内に響く伝声管の声。本作の緊迫感は、巧みなサウンドデザインによって支えられています。ぜひ良質な音響環境で。
94分で濃密な映画体験をしたい、タイムパフォーマンス重視のあなた

上映時間は94分とコンパクトながら、中身は超濃厚。一切の無駄を削ぎ落とした構成で、最初から最後まで息つく暇もありません。
ネタバレ・トリビア情報(クリックで展開)
リアルを追求した撮影の舞台裏:実在の駆逐艦「USSキッド」
映画のリアリティを高めるため、ルイジアナ州に博物館船として現存するフレッチャー級駆逐艦「USSキッド」が徹底的に参考にされました。監督は数ヶ月前からこの船を訪れてスキャンや写真撮影を行い、艦橋のセットを忠実に再現。ただし、撮影機材を置くスペースを確保のため、セットは実物より約30%大きく作られたそうです。セットの揺れも、油圧システムでリアルに再現されています。
俳優たちも没入!CGIと実写が融合した戦闘シーン
荒れ狂う大西洋での撮影は現実的ではないためCGIが多用されていますが、その映像は「もし実際に撮影したら」という制約を考慮して作られています。例えば、カメラの動きはボートの上から撮ったように意図的に揺らされており、1942年当時には不可能なヘリからの空撮のような視点は避けられています。俳優たちは主にグリーンスクリーンで演じましたが、監督が事前に用意した仮想空間の映像を見ながら撮影に臨むことで、状況をリアルに想像できたそうです。
トム・ハンクスが脚色!原作小説から受け継いだもの
本作の脚本は、主演のトム・ハンクス自身が手がけています。原作小説では、クラウス中佐の頭の中で行われる複雑な戦術的思考が詳細に描かれますが、映画ではそれを航海士などとのやり取りを通じて視覚的に表現するよう工夫されています。また、原作の重要なテーマである「指揮官としての自己不信」は、ハンクスの繊細な演技によって巧みに表現されており、原作の魂がしっかりと受け継がれています。
まとめ:『グレイハウンド』とVODでエンタメを楽しもう!
トム・ハンクスの脚本と主演が光る『グレイハウンド』は、観る者を第二次世界大戦の過酷な大西洋の戦場へと引きずり込む、傑作戦争映画です。94分という短い時間の中に、息もつかせぬ緊張感と、極限状態で試されるリーダーシップのドラマが凝縮されています。
本作は、Apple TV+の独占配信。このようなハイクオリティなオリジナル作品に出会えるのが、VODサービスの醍醐味です。月々定額で、時間や場所を選ばずに、世界中の素晴らしい映画やドラマを気軽に楽しめるVODサービスを活用して、あなたも日々の生活に新たなエンターテイメントを取り入れてみませんか?まずは気になるサービスの無料体験から、新しい作品との出会いを楽しんでみてください!


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