映画『フォロウィング』のネタバレ考察ブログ。クリストファー・ノーラン監督のデビュー作を深掘り解説!時系列の再整理や視聴可能なVOD情報も掲載。読者の皆様の感想もお待ちしています。
映画『フォロウィング』について
概要
💡 『フォロウィング』は、他人を尾行する趣味を持つ青年が、ある男に感化されて行動をエスカレートさせていく、緻密に構築されたミステリースリラーです。時系列が複雑に描かれており、観客を混乱させながらも考えさせる作品となっています。2024年4月には25周年を記念したHDレストア版の上映がありました。
🔍 この作品の魅力は、予想外の出来事が次々と起こる緻密な構造と、驚きの結末にあります。また、時系列を巧みに操る監督クリストファー・ノーランの手腕も見事です。
作品情報
- 公開日または配信開始日:2024年4月5日
- ジャンル:ミステリー、サスペンス
- カテゴリー:映画
- 上演時間:70分
- 制作国:イギリス
- 年齢制限:G(どなたでも視聴可能です)
- 主演:ジェレミー・セオボルド、アレックス・ハウ、ルーシー・ラッセル
- 監督:クリストファー・ノーラン
視聴可能な主なVOD
*VODとは、ビデオオンデマンドの略で、視聴者が好きなときに好きな動画作品を見ることができるサービスです。
*2024/7現在、月額使用料で視聴出来るサービスのみ表記しています。
プライムビデオ独占配信です。
皆さんのコメントまとめ
🎉 ファンからは、「時系列をバラバラにする編集テクニックが巧みで、ストーリーがよくまとまっている」「低予算ながら、クールでスタイリッシュな作品」「面白かった」といった好評価が寄せられています。
一方で「主人公の顔がよくわからない」「人物の思惑が少しずつ明らかになっていく過程が丁寧すぎる」といった指摘もあります。
🙂 全体としては、ノーラン監督のデビュー作ながら、緻密な構造と驚きの展開で観客を魅了した作品と評価できるでしょう。時系列の複雑さを楽しめる観客には特におすすめです。
まとめ
うずひこの評価
イメージ画像フォロウィング HDレストア版
感想
映画『フォロウィング』についての感想を書いています。
「フォロウィング(従者)」は約6,000ドル(≒72万円、3,000ドルという情報もあり)の予算で制作された、クリストファー・ノーラン監督による商業映画デビュー作品(1999年英公開)です。16mmのモノクロフィルムを使うなど低予算ならではの工夫がみられる作品です。
ビルは小説のアイデア探しのため、人間観察を始めるが、やがて尾行へと変わり、取りつかれてしまう。尾行対象としたコッブに尾行が見つかるが、物語は私達の予想を超えた展開を迎える。
ネタバレ!考察
時間軸
クリストファー・ノーラン監督の代名詞である時間軸での表現は、この作品でも健在です。
- 警察署内でビルが尾行に取りつかれる経緯が語られる
- ビルはコッブに尾行を気づかれ問いただされる
- コッブに連れられビルは初めて空き巣に入る
- 身なりの整ったビルがバーで金髪女性に声を掛ける
- 身なりの整ったビルと金髪女性がビルの家で話している。金髪女性は空き巣に入られたことを告げる
- 怪我をしているビルがバー強盗について助言をコッブに電話で求める
- コッブと一緒にビル自身の部屋に空き巣に入る
- 身なりの整ったビルが金髪女性の部屋を訪れる
- 怪我をしているビルが強盗に入る準備をしている
- 金髪女性の部屋に空き巣に入るビルとコッブ
- バーで談笑する身なりの整ったビルと金髪女性
- バーに強盗に入る怪我をしているビル
- レストランで食事をするビルとコッブ
- 自室で身なりを整えるビル
- 金髪女性の部屋で計画について話すコッブと金髪女性
- 盗んだお金を体に巻き付けている怪我をしているビル。事務所に入ってきた男を金槌で殴る
- 金髪女性の部屋で、バーのお金と証拠品の写真について聞く、身なりの整ったビル
- 屋上でバーへの強盗を相談する身なりの整ったビルとコッブ。ビルはコッブに殴られ怪我をする
- 怪我をしているビルが自室でタイプを打っている
- ビルをはめる計画を話すコッブ
- 自室で盗んだ金を体から剥がし、封筒を見る。騙されたことに気づく怪我をしているビル
- 彼女の部屋でコッブの計画を知る怪我をしているビル
- 警察署内で警官と話す怪我をしているビル
ビルが容姿変化が時間軸を確認できるひとつの方法です。「ぞんざいな恰好」「パリッとした恰好」「傷を負った容姿」
あらすじ(時系列)
この物語を時系列順に簡略化すると、以下のような物語になると思います。
バーのオーナー(ハゲた男)から金髪女性が隠し持っている殺人の証拠品(絨毯)の回収および殺害を請け負った男(コッブと名乗っている)。完璧に依頼をこなすため、金髪女性に近づき機会を探っていたところに尾行してくる男(ビル)が現れる。素性を調べ、足の付かない取るに足らない男であると判断したコッブと名乗る男はビルに近づき、ビルの生活に刺激を与える。金髪女性を使いビルが殺人者になるようアリバイ作りをして金髪女性を殺す。ビルは警察にコッブと名乗る男について訴えるが、コッブと名乗る男の行動は全てビルの行動を示す証拠として残っていた。
コッブと名乗る男を中心に見ると、金髪女性もビルも要素の一つでしかないことが分かります。
クリストファー・ノーラン監督の時間へのこだわり
クリストファー・ノーラン監督があるインタビューで以下のような回答をしているという記事があります。
「まるで世界を全く違う形で見るようでした。映画のカメラを通じて、時間を操作するようなものでした」
引用:theriver.jp/nolan-time-theme/
「それが可能なのは、映画のカメラだけです。純然たるシネマだと、私は思いました。それが、時間が有用な題材だと考える理由です。」
1982年のドキュメンタリー映画『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』を観て大きな影響を受けているようです。
ビルの浅はかさと、コッブの深慮さの対比が時間軸の組み替えにより、より印象深く表現されています。
クリストファー・ノーラン監督の時間へのこだわりがここから始まります。クリストファー・ノーラン監督ファンの方はもちろん、そうでない方も、巧妙に組み替えられた純然たるシネマをお楽しみください。
劇場公開も一部劇場では続いています(2024/7時点)。お近くの方はいかがでしょうか。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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