映画「イノセンツ」ネタバレ考察!北欧ホラーの傑作は「童夢」の影響?キャスト・あらすじ・ラストの意味を徹底解説【怖いけど見たい】

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目次

概要

北欧ノルウェーの静かな夏、集合住宅に引っ越してきた孤独な少女アイダ。言葉を持たない自閉症の姉アンナとともに、彼女は新しい環境で同じ年頃の子供たちと出会います。しかし、その出会いは純粋な子供たちの遊びでは終わりませんでした。テレキネシス、テレパシー…隠された能力に目覚めた子供たちは、次第にその力をエスカレートさせ、無邪気な遊びは危険な領域へと踏み込んでいきます。大友克洋の「童夢」を彷彿とさせる、息詰まるような緊張感と静かな恐怖が、日常の風景を侵食していくサイキックスリラー。子供たちの無垢と残酷が交錯する時、あなたは衝撃の展開を目撃することになるでしょう。

作品情報

  • 公開日または配信開始日:2023年7月28日
  • ジャンル:スリラー、ホラー
  • カテゴリー:映画
  • 上映時間:117分
  • 制作国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
  • 年齢制限:PG12
  • 主演:ラケル・レノラ・フロットム、アルヴァ・ブリンスモ・ラムスタッド、サム・アシュラフ、ミナ・ヤスミン・ブレムゼス・アシュハイム
  • 監督:エスキル・フォクト

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見どころ

静と動の完璧な構成

この映画の魅力は、何と言ってもその巧みな「静」と「動」の使い分けです。子供たちの日常や能力の目覚めは静かに、しかし不穏に描かれ、観る者の心にじんわりとした恐怖を植え付けます。そして、物語がクライマックスに近づくにつれて、その静けさは一転、息をのむようなサイキックバトルへと発展します。この緩急自在な構成が、最後までスクリーンから目が離せない緊張感を生み出しているんです。「そうなんだ、こういう見せ方があるのか!」と唸らされることでしょう。

静かにそして奥深い恐怖と興奮

「イノセンツ」が描く恐怖は、派手な効果音や突発的なショックシーンに頼るものではありません。子供たちの無表情な視線、能力が発現する際の微細な変化、そして彼らの間で静かにエスカレートしていく悪意。それらが北欧の美しい夏の風景の中で描かれることで、言いようのない不気味さと心理的な圧迫感が生まれます。それでいて、クライマックスのサイキック描写は確かな興奮を呼び起こすのです。この静けさの中に潜む奥深い恐怖と興奮のコントラストは、まさに本作ならではの体験です。

大友克洋の「童夢」を想起させるサイキックバトル

日本の漫画界の巨匠、大友克洋氏の傑作「童夢」を観たことがある方なら、本作の随所にその影響を感じ取るかもしれません。特に、子供たちが団地という閉鎖的な空間で超能力をぶつけ合う様は、「童夢」の緊迫感を彷彿とさせます。監督自身も影響を公言しており、あの独特の空気感や、子供たちの純粋さが孕む危うさといったテーマ性は、国境を越えて共鳴するものがあるのでしょう。「ああ、確かに!」と膝を打つファンも多いはずです。

『童夢』との比較

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映画「イノセンツ」は、そのテーマ性や描写において、日本のカルト的人気を誇る大友克洋の漫画『童夢』としばしば比較されます。ここでは、両作品の興味深い共通点と、それぞれが持つ独自の魅力に焦点を当ててみましょう。

共通点

  1. 舞台としての「団地」と閉鎖的コミュニティ: 両作品とも、物語の主要な舞台として「団地」が設定されています。この閉鎖的な空間は、外部の目が届きにくいコミュニティを形成し、その中で子供たちの能力や異常な出来事がエスカレートしていく土壌となります。「イノセンツ」では夏の団地が、「童夢」では巨大なマンモス団地が、それぞれ物語の重要な背景として機能し、独特の圧迫感と緊張感を生み出しています。
  2. 超能力を持つ子供たち(あるいは子供のような存在)の登場: 「イノセンツ」は超能力に目覚める子供たちが中心ですが、『童夢』でも強大な力を持つ老人チョウさんと、若き超能力者の少女・悦子が登場します。両作品に共通するのは、力を持つ存在が必ずしも成熟した道徳観を持っているわけではないという点です。この「未熟さ」と「強大な力」の組み合わせが、予測不可能な展開と本源的な恐怖を引き起こします。
  3. 力の暴走と倫理的葛藤がもたらす恐怖: 超能力のエスカレーションと、それが引き起こす暴力や死、心理的な苦痛は、両作品における恐怖の核心です。「イノセンツ」ではベンの力が次第に凶悪化し、他の子供たちが恐怖と対峙を迫られます。『童夢』ではチョウさんの「遊び」が連続死を招き、悦子もまた正義感から破壊的な力を行使します。力が人をどのように変えてしまうのか、そしてそれにどう立ち向かうのかという倫理的な問いが、物語に深みを与えています。

相違点

  1. 超能力者の年齢構成と力の行使における動機: 「イノセンツ」の超能力者は全て子供であり、彼らの動機は好奇心や遊び、感情表現といった子供特有の心理に根ざしています。一方、『童夢』は老いた超能力者と子供の超能力者という対比が明確で、チョウさんの倒錯した遊戯的支配欲と、悦子の自己防衛や正義感という動機が対照的に描かれます。
  2. 物語の焦点とテーマ性の違い: 「イノセンツ」は、少数の子供たちの心理的影響や人間関係、日常が変貌する静かな恐怖に焦点を当て、心理的リアリズムを追求しています。対して『童夢』は、より広範でスペクタクルな超能力戦争と、それが社会に与える影響を描き、善と悪の対立というテーマも扱っています。
  3. 超能力の描写スタイルと結末が示唆するもの: 「イノセンツ」における超能力は静かで現実的に描写され、結末は重苦しく、関わった子供たちに残るであろうトラウマを示唆します。『童夢』の超能力描写は革新的で視覚的なインパクトが強く、結末は謎めいており、超常的なものの永続性や循環を暗示させます。

これらの比較を通じて、「イノセンツ」が『童夢』からインスピレーションを受けつつも、独自の視点で子供たちの世界の危うさや心理的恐怖を深く掘り下げた作品であることがわかります。どちらの作品も、観る者に強烈な印象と考察の余地を残す傑作と言えるでしょう。

評価

総合評価

イノセンツ
総合評価
( 5 )
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感想

うずひこ

「イノセンツ」を観終えて、まず心に残るのは、恐怖を静かに、そして効果的に助長させるその巧みな演出です。子供たちの視点で描かれる世界は、どこか閉鎖的で、大人たちの知らない秘密に満ちています。特に、障害を持つ姉アンナとの微妙な距離感や、彼女が秘めていたサイキック能力が明らかになる瞬間は、物語に引き込まれる大きなポイントでした。
中盤からの予想を超える展開、そしてクライマックスにおけるサイキックバトルは、派手な爆発やアクションに頼るのではなく、あくまで「静か」に、しかし内面的には非常に「熱い」戦いが繰り広げられます。この静と動のコントラスト、緊張と緩和の巧みな演出は実に見事で、息をのむとはこのことか、と。気づけば手に汗を握り、子供たちの純粋さが孕む狂気に圧倒されていました。単なるホラーという言葉では片付けられない、深い余韻を残す作品です。

こんなあなたにおすすめ!

じわじわくる心理スリラーが好きなあなた

うずひこ

派手な恐怖演出よりも、静かで不気味な緊張感が徐々に高まっていく作品が好みの方には、まさにうってつけです。

「童夢」や「AKIRA」のような大友克洋作品ファンのあなた

うずひこ

子供たちが持つ強大な力、その暴走というテーマに、どこか懐かしさや新たな発見を感じるかもしれません。

北欧映画特有の冷たく美しい映像美に浸りたいあなた

うずひこ

静謐な夏の風景の中で起こる不穏な出来事のコントラストは、独特の美的感覚を刺激します。「テルマ」や「ボーダー 二つの世界」などが好きな方にも。

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プライムビデオでは、「レンタル・購入」、各サブスクリプション契約により視聴可能です。見放題出来る作品ではありません。(2025年5月現在)

子供の無垢さと残酷性の境界線というテーマに深く考えさせられたいあなた

うずひこ

純粋ゆえに残酷になりうる子供たちの行動や、力が倫理観を歪ませていく過程に、人間の本質的な何かを感じ取れるかもしれません。

セリフに頼らない演技や演出の妙を味わいたいあなた

うずひこ

特に言葉を持たないアンナの表現や、子供たちの微妙な表情の変化から感情を読み取ることに、映画ならではの面白さを見出せるでしょう。

ネタバレ・トリビア情報(クリックで展開)

衝撃的な結末とその目撃者たち

物語のクライマックス、アンナとベンの間で繰り広げられるサイキックバトルは壮絶です。イーダの助けによって力を増幅させたアンナは、最終的にベンを死に至らしめます。この一連の出来事を、団地の他の子供たちがそれぞれの家のバルコニーから静かに目撃しているシーンは、非常に印象的で、新たな恐怖の連鎖をも予感させます。「そうなんだ、子供たちには見えるのか…」と、背筋が凍る思いがするかもしれません。

やはり「童夢」からの強い影響

本作の監督であるエスキル・フォクトは、日本の漫画家・大友克洋氏の代表作の一つ「童夢」から大きなインスピレーションを受けてこの映画を製作したと公言しています。特に、大人には理解できない子供たちだけの閉鎖的な世界観や、超能力の描写、クライマックスの対決シーンなど、随所にその影響が見て取れると語っています。日本のファンにとっては、「へぇ!やっぱりそうだったんだ!」と納得のいくトリビアではないでしょうか。

日本版ビジュアルに込められたアートの力

「イノセンツ」が日本で公開された際のポスタービジュアルやパンフレットなどのアートワークは、映画『わたしは最悪。』の日本版デザインも手掛けたことで知られるアートディレクターの石井勇一氏が担当しました。子供たちの無垢な表情と、作品全体を覆う不穏で緊迫した雰囲気を巧みに融合させたデザインは、国内外で高く評価されています。映画本編だけでなく、こうしたクリエイティブにも注目してみると、作品の新たな魅力に気づかされるかもしれません。

ラストの意味

目撃者としての他の子供たちと「秘密の共有」

アナとベンの最後の戦いは、団地の他の子供たちによってバルコニーから目撃されています 。これは非常に重要な描写で、この異常な出来事が一部の子供たちだけの秘密ではなく、ある種の「共有された体験」となったことを意味します。この目撃が、他の子供たちの潜在的な能力の覚醒を促す可能性や、彼らの間に新たな連帯感、あるいは恐怖感を生み出す可能性も考えられます。また、大人の知らないところで子供たちの世界では重大な事件が起こり、それが子供たちの間で共有されるという、大人と子供の世界の断絶を強調しています 。

力の連鎖と終わらない物語の予感

ラストシーンでアナが何かを新たに描こうとする様子は、物語がこれで終わりではない可能性を示唆しています。ベンという脅威は去ったかもしれませんが、超能力を持つ子供は他にも存在するかもしれませんし、アナ自身の力の変化や、イーダの隠された能力の覚醒など、新たな展開を予感させます。この団地という閉鎖的な空間で、子供たちの間で超能力という「秘密」が受け継がれていくのかもしれません。

「怪物」とは誰かという問い

監督のインタビューによれば、本作は「自分と違うものを受け入れない」というテーマや、「本当の怪物は誰なのか?」という問いかけも内包していると解釈できます。ベンの行動は確かに暴力的で許されるものではありませんでしたが、彼がそうなってしまった背景には、周囲からの孤立や力の暴走を止められなかった環境も影響しているかもしれません。結末は、単純な善悪二元論では割り切れない、人間の内なる暗部や社会のあり方について私たちに問いを投げかけているとも言えるでしょう。

まとめ:「イノセンツ」とVODでエンタメを楽しもう!

映画「イノセンツ」は、子供たちの無垢な遊びが次第に危険な領域へと踏み込んでいく様を、静謐(せいひつ)ながらも強烈な緊張感で描き切ったサイキックホラーの傑作です。特に、クライマックスのサイキックバトルは、静けさの中に激しさを秘めた圧巻の演出で、観る者の心を鷲掴みにします。

このような個性的で引き込まれる作品が、プライムビデオをはじめとする多くのVODサービスで気軽に楽しめるのは、本当に素晴らしい時代ですよね。自宅で、好きな時間に、世界中の多様なエンターテイメントに触れられるVODは、私たちの日常をより豊かで刺激的なものにしてくれます。「イノセンツ」のような作品との出会いをきっかけに、あなたもVODを活用して、まだ見ぬ名作や心揺さぶる物語を探求してみませんか?まずは気になるVODサービスの無料体験からでも、新しいエンタメの世界への扉を開いてみてください!

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うずひこ

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