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うずひこ
管理人
高校生の時から35年間、映像作品を観続けている50代のVODパートナー 。VODの登場で視聴が加速し、近年は平均800時間、多い年には1,000時間を超えることも。
元・映画監督である妻との対話をヒントに、「この作品は、どんな人が楽しめるか?」を紐解きながら、あなたと作品の素敵な出会いを応援しています 。
このブログが、あなたのVODライフを豊かにする「運命の一本」を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。

アドレセンスの撮影方法は?驚異のワンカットを実現したカメラワークと伏線を徹底考察

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ねえ、朝のニュース見た? 私たちが去年一気見して、見終わったあとしばらく言葉が出なかった『アドレセンス』…ゴールデングローブ賞を総なめにしたって!

うずひこ

ああ、もちろん見たよ。やっぱり獲ったか、という納得感しかないね。あの作品が評価されなかったら嘘だ

本当にね。私たち、見てる間ずっと息するの忘れてたもの。あんなドラマ、初めてかもしれない

うずひこ

ははは、違いない。これだけ長く映画やドラマを観てきても、あんな風に『画面の向こう側に引きずり込まれる』ような体験は、そうそうあるものじゃないからね

それで、あんな凄い映像どうやって撮ったのかしら?

うずひこ

よし、今日はその興奮冷めやらぬうちに、あの映像がどうやって作られたのかを話そうか。受賞も納得の革命的な技術と、改めて気づいた物語の伏線について深掘りしていくよ

目次

『アドレセンス』作品基本データ:視聴前に知っておくべきスペック

まずは、この作品の骨格となる基本情報を押さえておきましょう。単なるエンターテインメントの枠を超えた、制作陣の覚悟が詰まったスペックです。

  • 公開日または配信開始日:2025年3月13日
  • ジャンル:クライムドラマ / スリラー / ヒューマンドラマ
  • カテゴリー:ドラマ
  • 話数:4話
  • 制作国:イギリス
  • 年齢制限:16+
  • キャスト:
    • エディ・ミラー:スティーヴン・グレアム(『スナッチ』『アイリッシュマン』)
    • ジェイミー・ミラー:オーウェン・クーパー
    • ルーク・バスコム警部補:アシュリー・ウォルターズ(『トップボーイ』『Bulletproof』)
    • ブライオニー・アリストン:エリン・ドハティ(『ザ・クラウン』『クロエ』)
  • 監督:フィリップ・バランティーニ(『ボイリング・ポイント/沸騰』)

映像産業の特異点:なぜ「ワンカット」でなければならなかったのか?

多くの視聴者が「すごいけれど、なぜわざわざ大変なワンカットで?」と疑問に思うかもしれません。しかし、本作におけるワンカット(長回し)は、単なる技術自慢のギミックではないのです。

「没入感」から「閉塞感」へ昇華させる演出

通常、映画やドラマは編集で時間をスキップしたり、視点を変えたりして物語を整理します。しかし、私たちの人生に「カット」はありませんよね?

バランティーニ監督は、この「逃げ場のないリアルタイム進行」を映像化することで、登場人物たちが抱える「インセル(不本意な禁欲主義)」的な孤独や、青少年犯罪の現場における張り詰めた空気を、視聴者に疑似体験させようとしています。

カメラが止まらないということは、演者もスタッフも、そして観客である私たちも、その場から一瞬たりとも逃げ出せないということ。この手法は、観る者を物語の当事者にしてしまう、ある種の「共犯関係」を結ばせるための必然的な選択だったのです。

徹底解剖!不可能を可能にした撮影技術とカメラワーク

では、具体的にどうやってあの複雑な映像を撮影したのでしょうか? ここには、近年の映像技術の進化が大きく関わっています。

革命的機材「DJI Ronin 4D」の採用

DJI Ronin 4Dイメージ画像
出典:Amazon.co.jp

本作の映像の滑らかさを支えているのが、DJI Ronin 4Dというシネマカメラシステムです。

従来のステディカム(体に装着する安定化装置)は非常に重く、オペレーターの体力を著しく消耗させるため、1時間近くの長回しは物理的に困難でした。しかし、Ronin 4Dは軽量でありながら、垂直方向の揺れまで補正する「4軸スタビライズ」を搭載しています。これにより、カメラマンは狭い廊下や階段、車内といった閉鎖空間でも、ブレのない完璧な映像を撮り続けることが可能になりました。

ハンドヘルドからドローンへの「シームレスな移行」

私が最も唸ったのは、屋内から屋外、そして上空へと視点が移動するシーンです(エピソード2)。

従来の撮影ならここで「カット」が入りますが、本作では手持ちカメラからドローンへ、そしてまた手持ちへという受け渡しが、映像を止めることなく行われています。

これは、カメラオペレーターとドローンパイロットの阿吽の呼吸、そしてそれを可能にする綿密なリハーサルの賜物です。まるで幽体離脱するかのように視点が浮遊し、個人のドラマ(ミクロな視点)から街全体の異変(マクロな視点)へとスムーズに移行する瞬間は、映像史に残る名シーンと言えるでしょう。

リアルタイム照明制御システム

ワンカット撮影の最大の敵は「光」です。屋内から屋外に出た瞬間、あるいは部屋の明かりを消した瞬間、カメラの設定を変える時間はありません。

本作では、無線制御によるリアルタイムの照明コントロールが導入されています。役者の動きに合わせて、照明技師が遠隔でライトの光量を繊細に調整することで、常に適切な明るさとムードを維持しています。これこそが、ドキュメンタリーのような荒々しさの中に、映画的な美しさを共存させている秘密なのです。

こうした野心的な作品を生み出し続けるNetflixの「戦略」と「傑作」をまとめた記事はこちら。
【Netflix日本上陸10年の軌跡】オリジナル作品マスターリストと戦略の進化

2026年ゴールデングローブ賞を席巻した「TVパーフェクション」

この野心的な試みは、批評家や業界からも最大級の評価を受けています。2025年から2026年にかけての賞レース、特に第83回ゴールデングローブ賞(2026年)での結果は圧倒的でした。

主な受賞結果と評価

  • リミテッドシリーズ作品賞 受賞
  • 主演男優賞(リミテッドシリーズ部門):スティーヴン・グレアム 受賞
  • 助演女優賞:エリン・ドハティ受賞
  • 助演男優賞:オーウェン・クーパー受賞

計4部門を受賞

海外メディアの『Broadcast』誌は「オーウェン・クーパーが歴史を作った」と報じ、RedditなどのコミュニティではRotten Tomatoesでの支持率が一時期100%を記録し、「TV perfection(テレビドラマの到達点)」とまで呼ばれています。

単に「ワンカットがすごい」だけでなく、その手法が物語の強度を極限まで高めたことが、審査員や視聴者の心を掴んだ証拠ですね。

35年の視聴歴を持つ私が震えた!作品レビュー

ここで少し、私自身の個人的な感想を話させてください。長年多くのドラマを観てきましたが、この作品には本当に肝を冷やしました。

役者魂が生み出す、窒息しそうなリアリティ

2025年のドラマ賞レースを総なめにしている『アドレセンス』。Netflixで配信された直後から、その熱量は凄まじいものがありましたね。

なんといっても、計算し尽くされたワンショット撮影の技術力には脱帽です。「一体どうやって撮っているんだ?」と、画面の前で何度も身を乗り出してしまいました。あの手この手で難所をクリアしていく撮影アイデアの数々は、制作陣による唯一無二の挑戦だったと痛感させられます。

そして、主演のスティーヴン・グレアムの演技。これこそが本作の肝です。

ワンカットということは、約1時間、あの鬼気迫る喜怒哀楽の感情を一度も切らすことなく持続させなければなりません。これは、通常の演技プランでは到底不可能です。

彼自身が脚本とプロデューサーも兼任しているからこそ、「この無謀な挑戦を絶対に成功させる」という責任感と強靭な精神力が、あの神がかった演技を引き出したのでしょう。単に監督から「やってください」と言われてできるレベルを超えています。

親として問われる「覚悟」

物語の核にあるのは、思春期(アドレセンス)という難しい時期にある子供の心の闇を、親としてどう受け止めるかという普遍的かつ重いテーマです。

ワンカット撮影が生む「逃げられない緊張感」は、まさに親が直面する「待ったなしの子育ての修羅場」とリンクしています。エンタメとしてのスリルだけでなく、親としての在り方を鋭く突きつけられる、リアリティに満ちた傑作でした。

『アドレセンス』の総合評価:★4

アドレセンス
総合評価
( 4 )

【ネタバレ考察】伏線と犯人が示唆する現代の病理

ここからは物語の核心、ネタバレを含む考察に入ります。まだ観ていない方は、Netflixで完走してから戻ってきてくださいね。

【閲覧注意】ネタバレを含みます

なぜ「彼」は一線を越えたのか?(犯人の動機)

物語が進むにつれて明らかになる事件の全貌。そこには、現代社会が抱える「インセル」の問題や、SNSを通じた承認欲求と孤立が複雑に絡み合っています。

犯人である少年の行動は、一見すると突発的な暴力に見えますが、ワンカットで描かれた彼の日常——学校での視線、家庭での些細なすれ違い、スマホ画面への没入——その全てが、彼を追い詰める「伏線」だったことに気づかされます。

カメラが彼を執拗に追いかけ続けることで、私たちは彼の背中から「助けてくれ」という無言の叫びを聞き取ることになります。これは単なる犯人探しのミステリーではなく、「誰が彼を怪物にしたのか?」という社会への問いかけなのです。

『ボイリング・ポイント』との対比で見えるもの

ボイリング・ポイントイメージ画像

バランティーニ監督とスティーヴン・グレアムのタッグといえば、映画『ボイリング・ポイント/沸騰』(2021年)が有名です。あちらもレストランの厨房をワンカットで描いた傑作でしたが、今回はそのスケールが「厨房」から「街全体」へと拡大しました。

前作が大人の社会のストレスを描いたのに対し、本作はタイトルの通り「未成熟な精神(アドレセンス)」が暴走する恐怖と哀しさを描いています。技術的な進化はもちろんですが、描こうとするテーマの深度もまた、格段に深まっていると言えるでしょう。

全てはここから始まった。伝説の「90分ワンカット」厨房劇。

※プライム会員なら見放題対象/30日間無料体験

まとめ:今すぐNetflixで「目撃」すべき映像体験

『アドレセンス』は、単に「長回しがすごいドラマ」ではありません。最新の撮影技術(Ronin 4Dやドローン)を駆使し、演者の魂を削るような演技を記録した、映像産業における一つの到達点です。

  • 技術的関心がある方: カメラワークのギミックを解析する楽しみがあります。
  • ミステリー好きの方: 張り巡らされた伏線と、やるせない結末に唸るはずです。
  • 人間ドラマを求める方: 親子の葛藤と再生(あるいは崩壊)の物語に胸を打たれるでしょう。

まだご覧になっていない方は、ぜひNetflixでこの「事件」を目撃してください。ただし、トイレと水分補給は済ませてから。一度再生ボタンを押したら、もうそこから逃げ出すことはできませんから。

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