ムービングは面白い？つまらない？全話完走した感想｜「韓国版アベンジャーズ」と呼ぶには泥臭すぎる傑作

---

「韓国版アベンジャーズ」という宣伝文句に、少し警戒している人もいるかもしれません 。 派手なCGだけで中身がないんじゃないか？ 子供向けなんじゃないか？

安心してください。全20話を完走した私が断言します。 『ムービング』は、2023年配信のドラマの中で間違いなくベスト3に入る傑作です。

ただし、手放しで「全員におすすめ！」と言うには、少し癖のある構成をしているのも事実。 今回は、映像作品には少しうるさい私の視点で、「面白い点」「つまらないと言われる理由」を包み隠さず解説します。

作品概要と基本スペック

レビューに入る前に、この作品の規模感を確認しておきましょう。

▶【最新】『ムービング』の配信サービス状況一覧・テレビ放送予定はこちら

結論：評価 ★5.0 「痛み」を知る大人のためのドラマ

ムービング

総合評価

( 5 )

感想

登場人物・能力・キャスト一覧表

このドラマの最大の特徴は、各キャラクターの能力が、その人の「性格」や「人生の痛み」とリンクしている点です。視聴前に把握しておくと、より深く物語を楽しめます。

俳優名	役名	能力・特徴	キャラクター解説
リュ・スンリョン	チャン・ジュウォン	無限再生・無痛覚	元暴力団員の安企部エージェント。どれほど傷ついても即座に回復するが、心には妻を失った深い悲しみを抱える「怪物」であり、娘思いの父。
ハン・ヒョジュ	イ・ミヒョン	超人的五感	視覚・聴覚などが極限まで発達している。元エリート分析官だが、現在はとんかつ店を経営しながら息子を隠して育てている。
チョ・インソン	キム・ドゥシク	飛行能力	安企部の最精鋭ブラック・エージェント。空を飛ぶ能力と卓越した射撃技術を持つ。物語の核心を握る行方不明の父。
キム・ソンギュン	イ・ジェマン	怪力・超高速	商店店主。ガンフンの父親。超人的な力とスピードを持つが、認知障害を抱えている。
リュ・スンボム	フランク	再生能力	※ドラマオリジナルキャラ。引退した能力者を狙う暗殺者。彼もまた親の愛を知らずに育った悲しき存在。
チャ・テヒョン	チョン・ゲド	電気能力	※ドラマオリジナルキャラ。電気を操る元ヒーロー番組の演者。現在はバス運転手として社会の片隅で生きる。
イ・ジョンハ	キム・ボンソク	飛行＆超五感	ドゥシクとミヒョンの息子。感情が高ぶると浮いてしまうため、重い砂袋をつけて生活している。未熟だが純粋な心を持つ 。
コ・ユンジョン	チャン・ヒス	無限再生	ジュウォンの娘。父譲りの再生能力を持つ。暴力事件を起こした過去を持つが、正義感が強く、体育大学を目指して走る。
キム・ドフン	イ・ガンフン	怪力・超高速	学級委員長。父から怪力とスピードを受け継ぐ。能力を隠さず、むしろ父を守るために従順に振る舞う優等生

この豪華キャストと圧倒的スケール。世界が熱狂する理由は、ここにあります。

※ここでしか見られない独占配信作品です

「つまらない」「展開が遅い」と言われる理由

ネット上のレビューを見ると、「最初の数話で脱落した」「展開が遅い」という意見が散見されます。 正直に言いますが、その気持ちも分かります。

最初の7話は「長い助走期間」

全20話のうち、第1話から第7話までは、子供たちの高校生活を描く「青春パート」です 。 能力を隠して生きる高校生ボンソクとヒスの、甘酸っぱい初恋や日常が丁寧に（人によっては冗長に）描かれます。ここで「派手なバトルが見たいのに！」と思ってしまうと、退屈に感じるかもしれません。

ですが、この7話を飛ばすことは絶対にしないでください。 ここで描かれる「平和な日常」と「親子の絆」があるからこそ、後半、その日常が脅かされた時の「恐怖」と、それを守ろうとする親たちの「怒り」に、震えるほど共感できるからです。

この前半パートは、後半の爆発的なカタルシスを生むための「タメ（助走）」の時間。 第8話から物語は一気に過去へ遡り、血なまぐさい大人のスパイアクションへと変貌します 。そこからはもう、ジェットコースターです。

ここが凄い！映像マニアが唸った3つのポイント

単なるストーリーだけでなく、映像の作り込みも半端ではありません。

1. CGに頼らない「重力」と「痛み」の表現

監督のパク・インジェは、「マーベルのようなカッコいい飛行」をあえて避けました 。 空を飛ぶボンソク役の俳優は、ワイヤーに吊られながら、重力に逆らう「身体の重さ」や「不器用さ」を表現しています 。

また、再生能力を持つ男ジュウォンの描写も圧巻です。 傷が治る時、魔法のように綺麗に治るのではなく、骨がきしむ音や肉が盛り上がるグロテスクな質感を強調しています 。

「死なないから無敵」なのではなく、「死なないからこそ、終わりのない痛みに耐え続けなければならない地獄」。 その演出が、キャラクターの悲哀を際立たせています。

2. 伝説級の「ワンテイク」アクション

第11話で見られる、狭い場所での乱闘シーン 。 映画『オールド・ボーイ』を彷彿とさせる長回しが使われています。カットを割らないことで、見ている私たちも演者と同じ時間の流れを共有し、息が詰まるような緊張感を味わえます。ここはドラマ史に残る名シーンです。

3. 豪華キャストが見せる「生活者の顔」

ハン・ヒョジュ（匿名の恋人たち：Netflix）やチョ・インソン、リュ・スンリョン（7番房の奇跡）といった韓国のトップスターたちが演じるのは、スーパーヒーローではありません。

とんかつ屋の店主や、チキン屋の親父です 。 エプロン姿で汗をかきながら働く彼らの姿は、「能力があっても、生活するのは大変なんだ」というリアリティに満ちています。

だからこそ、彼らがエプロンを脱ぎ捨てて戦う瞬間、鳥肌が立つのです。

まとめ：長い？ いえ、終わってほしくない20時間です

最初は「全20話って長いな…」と思うかもしれません。 でも、見終わった後、あなたはきっとこう思うはずです。 「もっとこの家族たちを見ていたい。終わってほしくない」と。

『ムービング』は、アクションの興奮と、家族ドラマの温かさ、その両方を最高レベルで味わえる稀有な作品です。 視聴を迷っている時間がもったいない。今すぐ、彼らの物語を目撃してください。 第1話の再生ボタンを押した瞬間から、あなたの心は宙に浮き始めるはずです。

「NetflixやAmazonにはないの？」と気になった方は、まず配信状況をチェックしてください。
▶『ムービング』配信状況まとめ｜なぜDisney+独占なのか？

この週末、あなたのリビングが「最高級の映画館」に変わります。

※映画チケット1枚分より安い、月額1,140円(税込)

このブログでは、これからもあなたのVOD選びのパートナーとして、様々な角度から有益な情報をお届けしていきます。

▼朗報！シーズン2制作決定
『ムービング』続編の配信日はいつ？残された伏線と最新情報