概要
作品情報
- 公開日または配信開始日:2021年2月26日
- ジャンル:ドラマ
- カテゴリー:映画
- 上映時間:143分
- 制作国:アメリカ
- 年齢制限:18+
- 主演:トム・ホランド、シアラ・ブラヴォ
- 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
視聴可能な主なVOD
*VODとは、ビデオオンデマンドの略で、視聴者が好きなときに好きな動画作品を見ることができるサービスです。
*2025年5月現在、月額使用料で視聴できるサービスのみ表記しています。

Apple TV+のオリジナル作品です。Amazon Prime Videoでは、別途「Apple TV+チャンネル」にご登録いただくことで、視聴することも可能です。
この作品を観るなら!Apple TV+の魅力

映画『チェリー』をご鑑賞になるなら、Apple TV+が断然おすすめです!本作はApple TV+のオリジナル作品のため、ここでしか観ることができません。
Apple TV+には、ほかにも見応えのあるオリジナルドラマや映画が豊富にラインナップされており、質の高いエンターテイメントをお求めの方にぴったりです。もちろん、ダウンロード機能も搭載しているので、通勤・通学中や外出先でもデータ通信量を気にせず楽しめます。
高画質な映像でトム・ホランドの鬼気迫る演技と、ルッソ兄弟の巧みな演出を心ゆくまで堪能できるのは、Apple TV+ならではの魅力と言えるでしょう。Amazon Prime Video内のApple TV+チャンネル経由でも視聴可能です。

見どころ

スパイダーマンでないトム・ホランドの魅力
皆さんご存知「スパイダーマン」のトム・ホランドが、本作では全く異なる顔を見せています。愛する人との幸せな日常から、戦争のトラウマ、薬物依存、そして犯罪へと転落していく青年チェリー。その複雑で痛々しい内面を、繊細かつパワフルに演じきっています。「こんなトム・ホランドが見たかった!」と思わず唸ってしまうはず。彼の俳優としての底知れぬポテンシャルを感じられる、まさに新境地と言えるでしょう。
さすが!と唸るセリフの言葉選び
本作の魅力の一つに、登場人物たちのセリフの言葉選びの秀逸さがあります。時に詩的で、時に生々しく、そして時にはブラックユーモアに富んだセリフたちが、物語に深みとリズムを与えています。特に主人公チェリーが発する言葉は、彼の内面の葛藤や皮肉な視点を巧みに映し出し、観る者の心に強く印象を残します。ルッソ兄弟監督の手腕が光る、思わずメモしたくなるような名言も散りばめられていますよ。
「第四の壁」の効果
映画の登場人物が、まるで観客に直接語りかけるかのようにカメラ目線で話す演出技法、「第四の壁を超える」という手法が本作では効果的に使われています。この演出によって、観客は主人公チェリーの心情や状況をよりダイレクトに感じることができ、物語への没入感が高まります。彼の孤独や混乱、そして皮肉なユーモアがストレートに伝わってくるので、より一層チェリーというキャラクターに引き込まれることでしょう。
原作小説との比較
本作『チェリー』は、ニコ・ウォーカー氏による同名の半自伝的小説を原作としています。

主な共通点
- 主人公がイラク戦争での衛生兵としての体験から重度のPTSDを抱える。
- その苦痛から逃れるためにオピオイドに手を出し、深刻な薬物依存に陥るという中心的なシナリオ。
- 薬物購入資金を得るために銀行強盗に手を染める展開。
- 主人公とエミリーとの恋愛関係が物語の重要な軸であり、希望と同時に共依存的で破壊的な側面も持つ点。
- 戦争体験がその後の人生を大きく狂わせてしまうというテーマ。
主な相違点
語りの視点と内面描写の深さ
- 小説: 主人公の一人称視点で、思考や感情、トラウマ体験が生々しく直接的に描かれます。
- 映画: 主に三人称視点で描かれ、トム・ホランドの演技や様式化された映像技法を通して内面を伝えようと試みますが、小説ほどの直接的な内面描写には至らない傾向があります。
主題の焦点と背景描写
- 小説: PTSDや薬物依存に加え、「白人男性性の危機」やラストベルトの社会経済状況、トラウマの循環といった複雑なテーマを深く掘り下げ、社会批評的な側面も持ち合わせています。
- 映画: 主人公の人生の多くの段階を網羅的に描こうとするあまり、個々のテーマに対する掘り下げが浅くなりがちで、小説に見られる社会政治的な批評性は希薄になっています。
文体と映像表現
- 小説: 「スタッカートする荒い文体」と評される直接的で内臓に訴えかけるような文体が特徴です。
- 映画: 章立て、多様なカラーパレット、カメラへの直接的な語りかけなど、様式化された視覚的アプローチを取っています。
所感
ニコ・ウォーカーの小説は、作者自身の体験に基づく強烈なリアリティと、飾り気のない言葉で読者の心に深く切り込んできます。戦争トラウマやオピオイド危機といった現代社会の問題を、個人の視点から痛切に描き出しており、文学作品としての評価も高いです。映画版は、この重厚なテーマをルッソ兄弟監督がエンターテイメント作品として再構築しようとした野心作と言えるでしょう。トム・ホランドの熱演は光りますが、小説の持つ内面描写の深さや文学的な鋭さを映像で完全に再現することの難しさも感じさせます。しかし、映画という媒体を通して、より多くの人にこの物語を届ける意義は大きく、原作とはまた違った魅力と問題提起を投げかけてくれる作品です。
評価
総合評価
出典:Amazon.co.jpチェリー
感想

まず、「スパイダーマン」のイメージが強いトム・ホランドですが、その覆面を脱いだ彼の端正な顔立ちと、本作で見せる鬼気迫る演技に「こんな一面があったのか!」とハッとさせられました。そして、とにかくセリフの言葉選びがウィットに富んでいて、個人的にとても好みでした。「第四の壁」を破る演出なども効果的で、物語への没入感を高めてくれます。「アベンジャーズ」シリーズの印象が強いルッソ兄弟監督ですが、『グレイマン』(Netflixオリジナル)も然り、こういうシリアスなヒューマンドラマでも観客をぐいぐい引き込む手腕はさすがです。テーマは非常に重く、痛々しい現実を描いていますが、不思議と鑑賞後に気持ちが沈み込みすぎるということはありませんでした。…ただ一つ、個人的な好みを言わせてもらうなら、トム・ホランドのあの口ひげは、うーん、ちょっと見慣れなかったかな(笑)。
こんなあなたにおすすめ!

トム・ホランドの新たな一面を見たいあなた

「スパイダーマン」だけじゃない!彼の俳優としての幅広さ、深さを感じたいファンは必見です。
ルッソ兄弟監督作品のファンで、社会派ドラマに触れたいあなた

アクション大作とは一味違う、彼らのシリアスな人間ドラマ演出に唸るはず。
映画の「語り口」や映像表現に興味があるあなた

「第四の壁」の破壊や、章ごとに変化する映像スタイルなど、映画製作の技術的な工夫に注目してみるのも面白いでしょう。
ニコ・ウォーカーの原作小説を読んだ、あるいは興味があるあなた

原作の世界観がどう映像化されたのか、その共通点や相違点を探求するのも一興です。
現代社会が抱える問題(戦争トラウマ、薬物依存など)について考えさせられる作品を求めるあなた

エンターテイメントとして昇華しつつも、根底にあるテーマの重さと向き合える作品です。
ネタバレ・トリビア情報(クリックで展開)
衝撃の結末と再生への微かな光
度重なる犯罪と薬物ディーラーとのトラブルの末、追い詰められたチェリーは自ら警察に通報するよう促し、逮捕されます。彼が銀行強盗の際に使った「1ドル札」は、皮肉にも彼が社会から奪ったものではなく、社会への最後の「支払い」のようにも見えます。刑務所で過ごした14年間で薬物依存を克服したチェリー。出所の日、彼を待っていたのはエミリーでした。多くを失い、過酷な道のりを経た二人が再会するラストシーンは、決して楽観的ではないものの、未来へのわずかな希望を感じさせ、深い余韻を残します。
風刺の効いた銀行名とこだわりの映像表現
映画の中でチェリーが強盗に入る銀行には、実はユニークで皮肉たっぷりな名前が付けられているのをご存知でしたか?例えば、「The Bank(そのまんま銀行)」の他に、「Shitty Bank(クソ銀行)」や、もっと過激な「Bank Fucks America(銀行はアメリカをクソにする)」なんて名前も!これは金融システムへの不信感や主人公の社会への怒りを象徴しているのかもしれませんね。 さらに映像にもこだわりが満載!ルッソ兄弟監督と撮影監督は、チェリーの人生の各章ごとに異なるレンズやアスペクト比、色彩を使い分け、彼の心理状態や物語の雰囲気を巧みに表現しています。基礎訓練シーンでは画面が狭まったり、薬物による高揚感を特殊な撮影技法で表現したりと、観る者を飽きさせない工夫が凝らされているんです。
トム・ホランド、驚異の肉体改造!
本作で主人公チェリーを演じたトム・ホランドは、役作りのために驚くべき肉体改造を行いました。薬物依存によって心身ともにボロボロになっていくチェリーをリアルに表現するため、撮影期間中に約14kg(30ポンド)もの減量を敢行!その後、物語の展開に合わせて再び体重を戻すという、非常に過酷な挑戦だったそうです。彼のプロフェッショナル魂と、この作品にかける情熱が伝わってきますね。
まとめ:チェリーとVODでエンタメを楽しもう!
映画『チェリー』は、トム・ホランドのこれまでのイメージを覆すほどの迫真の演技と、ルッソ兄弟監督の巧みな演出が光る、見ごたえ十分な作品です。「スパイダーマン」ではない、俳優トム・ホランドの新たな魅力を堪能できること間違いなし!
本作のような骨太なドラマ作品も、Apple TV+のようなVODサービスを利用すれば、自宅で気軽に、そして自分の好きなタイミングで楽しむことができます。月額料金で数多くの映画やドラマが見放題になるVODは、忙しい現代人にとって、まさにエンターテイメントの宝箱。映画館に足を運ぶ時間がなくても、話題作や隠れた名作に出会えるチャンスが広がっています。
「ちょっと気になるけど、どうしようかな…」と思っているあなたも、まずはApple TV+の無料体験などを利用して、気軽にVODの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?きっと、『チェリー』のような心を揺さぶる作品との出会いが、あなたの毎日をもっと豊かにしてくれるはずです!


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